パイナップル科。 本来、アナナスとはトロピカルフルーツとして重要なパイナップル を含むアナナス属をしめすものであるが、園芸上はパイナップル 科の植物全体を総称したものである。多くは茎の短い多年草で、 一部には地生種もあるがほとんどは着生植物である。筒状で美し く、乾かしても枯れることはなく、寒さにも比較的に強く、中には 戸外でわずかな防寒で作れるものもあり、しごく丈夫である。 中には花の素晴らしく美しいものもあり、またその咲き方も多彩で、 アナナスには、どんな種類があるかと聞かれても、一口に、いえぬ ほど種類も非常に多いのである。このアナナスだけ集めている人も あるくらいに、アナナス栽培は実に楽しいものである。まず始めての 人には少し地味な花だが、和名をヨウラクアナナスは霜があたらな ければ軒下でもよい。温室があれば、普通の部屋や廊下では少し 無理なサンゴアナナナスやトラフアナナスなどのアナナス中でピカ一 中のピカ一の種類までも楽しむことが出来るものである。 左記写真のアナナスはフリーセア“栄光”です。 |
たいていは温室植物で、冬の最低温度が7℃位はほしい。
用土…………腐葉土と壌土を等量にまぜるか、水苔で植えつければよい。鉢底にはゴロを3分の1ぐらい入れる方がよい。
光線…………冬は日に当ててよいが、夏は半日陰を好む。
灌水…………十分やったら、後は乾いたらやる程度にする。着生植物なので根が乾い時は、葉の基部や円筒部にたまった
水をすうといわれ、筒の中に水がたまってもいたむこともない丈夫なものである。しかし、根も時折乾かした方
がよい。冬期は筒内に水をためない方がよい。筒内に水が入っているとそこから腐りやすい。
施肥のコツ…苗から成木になるまで油粕に骨粉をまぜた腐熟液を3〜6倍に薄めたものか、ハイポネックスなどを月に2回
くらいほどこして、十分に肥培すると葉数も多くなり、見事な草姿になります。育ちきったら月1回くらいの施肥で
よい。
花について…花が一度咲けば、親株は数年後にかれるものであるが、元からつぎつぎと新しい株が出てきて毎年美しい花を
開いてくれる。その新芽が後からつづいて出るので、一本の親株から4〜5本くらい苗をとることが出来る。
病害虫……病害虫の心配はあまりなく、普通に作っていれば失敗はない。だが時にはナメクジなどが新芽を食害し、観賞価値
を著しく損なうことがある。発生したら、夜間に見回って捕殺するか、ナメクジ誘殺剤を鉢の周囲にまいておく。
株分け…子株の利用(繁殖適期…5〜7月)
食用として購入したパイナップルは、上部につく冠芽を用いて繁殖できる。適期は5〜7月。
繁殖は挿し木にて行う。
挿し木で繁殖させたパイナップルの鉢植え